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日本海まで行かずとも、新鮮な蟹が食べられる 有馬温泉で味わうA級グルメ

【 松葉蟹の水揚げ日本一を誇る漁港 】

日本人ほど蟹好きの民族はいないのではなかろうか。そう思ってしまうほど、冬場に蟹ツアーの広告がよく出る。特に関西人は松葉蟹が好きなようで、日帰り買い物ツアーに、蟹料理の宿にと、色んなパターンで冬の味覚を楽しんでいる。しかし、日本海まで出かけたとて、地元で水揚げされたものが食べれるとは限らない。ロシアのものもあれば、冷凍して鮮度が落ちたものもあり、日本海側といえども生のものが食せるとは決まっていない。そんな傾向がわかってきたのか、本物を求める消費者は浜坂などの旅館や民宿に行くケースが増えていると聞く。

浜坂は兵庫県北西部にある町。正式には兵庫県美方郡新温泉町浜坂地区という。日本海を臨み、背後には氷ノ山などの山々を有す自然環境豊かな地域である。では、蟹好きがなぜこの町を目指すのかといえば、実は浜坂漁港が松葉蟹の水揚げでは日本一を誇っているからだ。浜坂の漁港に属している蟹操業船は18隻ほど。その全船が最新機器を装備し、蟹漁を行っている。ちなみに2004年度より、大型船では2000?10個、1000?10個の活け蟹用大型水槽を有しており、専用の冷却機で蟹が生息する1~3℃の水温にして船内で管理している。浜坂の漁師は、獲った蟹をこの管理水槽の中で泥を吐かせ、活かしながら港まで運んでいる。その蟹は活きたまま水揚げされるわけだから当然の如く新鮮。その上、セリでも水槽売りしているので最高の状態で出荷されるというわけだ。

【 浜坂の蟹が一番と地元でもPR 】

知っての通り、山陰や北陸は蟹のメッカだが、これらの地域で獲れたものは、松葉蟹と呼ばれたり、越前蟹と称したり、はたまたズワイ蟹と言ったりしている。ここで名称を整理しておくと、松葉蟹も越前蟹もズワイ蟹のことで、同じ種類のものだと思ってもらえばいい。それを北陸では越前蟹と称し、山陰では松葉蟹と呼んでいる。松葉蟹の中でも水揚げされる港ごとに名前が付けられている場合があり、幻の蟹として有名な間人(たいざ)蟹はこのケースにあたる。

松葉蟹の名の由来は、諸説あるが、一般的には松葉のように見えるからだと言われている。ズワイ蟹を漢字で書くと、「楚蟹」。昔は細い木の枝のことを「楚(すわえ)」と言っていたようで、その言葉が訛って「ズワイ」になったらしい。そう考えると、松葉蟹もズワイ蟹と同じような意味合いから名前が付けられたようである。

11月上旬になると、浜坂の漁船は隠岐から浜坂沖までの地点で漁を行う。大山の火山灰が堆積した海の底は、蟹の格好の棲み家。餌となるクモヒトデなどが多いことや、灰の堆積地なので蟹が傷つきにくいことなど様々な要素が重なって、この場所で活動するようになった。地元の漁師は「居組(浜坂)沖の蟹が一番だ」と言って、浜坂沖を主漁場に据えて漁をすることが多いようだ。

浜坂温泉郷には、七釜温泉、二日市温泉、浜坂温泉の3つがあるのだが、地元の旅館や民宿は近年、この松葉蟹を観光資源にしてPRしようと躍起になって取り組んでいる。そのひとつがカニソムリエ制度の設立。浜坂温泉郷にある宿泊施設の女将さんを対象にして、3年間で20回以上もの研修を重ね、試験に合格した人には、カニソムリエの称号を与えている。「数多くの観光地がある中で、浜坂にあるような小さな旅館や民宿が生き残るには、おもてなしの心が大事」と言い、蟹の全てを知るカニソムリエ達があらゆる勉強を重ねてサービス業の本質を学んでいるのだ。行政と一体となったPR戦略は功を奏し、香住や城崎の陰に隠れていた浜坂が蟹の町として脚光を浴びるようになった。

【 有馬の温泉で新鮮な松葉カニが食べれる! 】

松葉蟹で名をあげた浜坂にもうひとつ面白いネタが生れた。それは松葉蟹水揚げ日本一の浜坂と日本最古の温泉地・有馬が蟹で結ばれたというもの。浜坂で揚がった新鮮な蟹を有馬まで運び、日本海直送の味を堪能してもらおうとの企画である。有馬温泉観光協会と浜坂漁港が松葉蟹の売買契約を結ぶことでタッグを組んだ。浜坂は大きな消費能力を持つ有馬温泉に蟹を送るというメリットが生じ、有馬温泉も新鮮な蟹をお客様に提供できるメリットが生れた。その上、関西の蟹好きも「日本海まで行かずとも食せる」といった三者とも得する関係ができあがったのだ。

松葉蟹は冬の味覚の王様と言っても過言ではない。肉厚な身と上品な甘みが多くのグルメを魅了し続けている。特に甲羅に付着した黒いつぶつぶを付けたものをは上物として好まれる。ちなみにこのつぶつぶは、カニビルという虫の卵で、沢山付いていれば、脱皮後の時間が長いことを示しており、身入りがいい証拠となる。今回のタイアップは、漁港と直結したものなので、悪いものが来ようはずがない。本当に「日本海へ行かずとも」のフレーズがあてはまるのだ。

松葉蟹は体色が暗赤色だが、熱を加えると赤くなる。刺身から塩茹で、蒸し蟹、蟹鍋と食べ方は色々で、各旅館では料理のプロが腕をふるって作ってくれる。蟹好きなら、これほどの幸せはないと思うのだが…。

(文、曽我和弘)

御所坊グループでは浜坂の松葉カニを使用した宿泊プランを作成しています。危険な雪道を走って日本海側に行くより、生きたカニに宅急便で来て頂く方が良いと思いませんか?

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