業界の話

神戸、有馬温泉の観光客の傾向及び動向 観光カリスマ私見

兵庫県の観光客の特徴として県内移動が多い。他府県では宿泊客に「何処から来られたか?」と居住地を聞くと、人口密度に比例した答えが返ってくる。

ところが兵庫県と北海道は同じ県からの来訪者が多い。2009年では近距離(近畿地方)からの観光客が75.9%を占めている。

関東地方6.9%、中部地方6.1%、中国地方5.7%となっている。

このように県内移動が多いという事は、滞在日数が少ないという事につながり、兵庫県の滞在日数は他県に比べて圧倒的に少ない。

滞在日数の多い県は沖縄県で平均3.4日。滞在日数が多いと一日当たりの消費額は少なくても総額は多くなる。

滞在日数を増やす事が兵庫県の観光振興につながる。そして滞在日数を増やす為には、近畿以遠の来訪者を増やす必要がある。

滞在日数を増やす策として、宿泊施設に求められているのが泊食分離。

一般的に温泉旅館の料金体系は1泊2食付きの料金設定になっている。これをホテルのように宿泊代と食事代を分ける事をいう。

泊食分離料金設定にした場合、まず考えられるメリットは多様化するニーズに応えられる。例えば、宿泊して翌日六甲山に登ろうという場合。ある人は仕事をして会社近辺で夕食を取って有馬温泉にやってくる。ある人は温泉街の飲食店で、またある人は神戸の中華街で夕食をして有馬へと、好みに応じた宿泊スタイルの幅が広がる。

大方の旅館が1泊2食設定を行っているので、施設、サービス、料理の総合点で評価されてしまう事が多いが、バラバラで評価の星をつけた場合、顧客と宿側とのミスマッチが少なくなる。例えば施設やサービスが劣っていても、その地域独特の美味しい名物料理を出す宿があったとする。食事を主体に考える人にとっては良い評価を与えるだろう。そしてその人は郷土料理を目的に日本各地を旅行するかもしれない。反対に年配の方は食事よりも施設やサービスに重点を置くかもしれない。この様に国内旅行のミスマッチをなくして、国内旅行全体の活性化につながる。

この方法だと、インバウンド推進にも有効だ。私たちにとっては違いのある懐石料理であっても、外国人観光客にとっては、あまり変わっていないように見えるかもしれない。私たちが海外旅行に出た時を思い出せば理解できるだろう。

そして温泉街の活性化策としても、旅館だけで食事をするのでなく、街中の飲食店を含め選択肢を増やす事で良い意味での競争が生じ、食のレベルの向上につながり、ひいては地域活性化につながる。

現在多くの有馬温泉の旅館では1泊2食設定以外に1泊朝食付き、湯泊り(素泊まり)と泊食分離の設定を行っている。

2010年現在、台湾、韓国、香港、シンガポールなどのアジアからの観光客が多い。中国人に対してビザが緩和されたが、宿泊単価が低く少ないのが現状だ。

インバウンドを推進する上での問題は、生活文化の違いや入浴マナーやトイレの使い方等で日本人客が嫌がる事が起こってる。

その様な生活文化のギャップを埋める策として、有馬温泉では留学生を招待し、有馬の良さを味わってもらう事を積極的に行っている。そして母国語と日本語とでレポートを書いてもらってインターネットで配信している。その時にさりげなく日本のトイレの使い方や、入浴のマナー等の注事項を盛り込んでもらうようにしている。このような外国人の体験の場をアジアだけでなく、世界に広げて行こうと考えている。

発地型観光、着地型観光

『東京から新幹線で新神戸着。異人館観光と六甲山を越えて有馬温泉の旅』このような旅のプランは、東京からの顧客の視点に立って作成し、販売するので発地型観光という。今まで大手旅行代理店が販売してきた手法だ。

一方、外国のホテルに泊まるとフロントに色々なオプショナルツアーが用意されている。「イルカとサンセットクルーズ」とか「○○遺跡と○○の旅」というようなパンフレットが置いてある。現地集合、現地解散というツアー。これが着地型観光という。

泊食分離を行っただけでは滞在日数は増加しない。

滞在期間中に味わう事の出来る魅力的なメニューが必要になる。その土地ならではのモノを活かした体験メニューや交流メニュー、学習コース等を作成する事が重要になる。

例えば「宝塚歌劇体験ツアー」や「甲子園球場観戦ツアー」は作る事が出来る。しかし「立杭焼陶芸体験と篠山観光ツアー」は開催できない。第三種旅行業の法令は規制緩和されたけれども、隣接する市町村との交流のみ行える程度で、篠山のように、間に三田市を挟む市との交流が許されないからである。もっと広く周辺地域と連携して魅力的な着地型プランをつくりだす事が、有馬温泉のみならず国内観光振興につながるのではないか考えている。

このように有馬温泉という観光ポイントだけで考えるのではなく、周辺地域を巻き込んで誘客する考え方や連携した地域を観光圏という。

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