観光文化 230 「今、ここ」の出会いを大事に

2016年8月1日 メディア掲載, 業界の話

観光文化

高校卒業後、事務の仕事に就いたのですが、もっと人と接する仕事がしたいと思い、駿台トラベル&ホテル専門学校に通いだしました。そこで、講師をしていた金井(啓修社長)に出会ったことが人生を決めましたね。

学校の研修で、受け入れ先のホテルで半年働いた時は、自分の担当が限られていましたが、御所坊でバイトをした時は、お客様のお出迎えからお見送りまでを任せてもらえたんです。本当に楽しかったですね。学校の廊下で金井に会った時には「先生、やとて!」と口から出ていましたね。それから御所坊に就職して、今年で18年になります。

 

母親の社会復帰を促す制度を導入

旅館は離職率が高く、結婚や出産を機に辞める女性も多いのですが、私の場合は、社長や女将さんが理解のある方だったおかげで、働きながら4児の母になる事が出来ました。上の子は生後半年、二人目は2ヶ月からおぶって働きましたが、子どもが小さい間は、子どもを寝かせる部屋を作ってもらい、そこに無線を置いて泣き声が聞こえたら、部屋に駆け付けていたんですね。他のスタッフが子どもをあやしてくれることも多く、本当に周りの人に助けられました。

女将さんは、私が目標とする方であり、女将さんや周りの人にしていただいたことを次の世代につなげたいと思い、その後、子育て中のお母さんたちに短時間ずつ働いてもらう仕組みを作りました。このお母さん部隊を親しみを込めて「ピンクさん」と呼んでいます。彼女たちは子供の成長につれて、働く時間が延びるので、今では欠かせない存在です。ちなみに「イエローさん」と呼ばれる、男性陣もいらっしゃるんですよ。

若い従業員には、毎日楽しく働いてほしいと思っています。でもやはり長く働いてもらうには、賃金や休暇、シフトの工夫が必要だと感じますね。せめて、数か月前に休暇の予定が立てられて、順番に休みが取れる仕組みを作りたいと思っています。

 

人の人生の一部になれる仕事

有馬温泉で働いて良かったことは、金井がまちづくりに関わっていたので、温泉街や御所坊が変わるところを見られたことです。有馬温泉の一部に自分もなれているのかなと思うと嬉しいですね。

それに、旅館での仕事は、お客様の人生の一部になれる仕事だと思います。今日この日に、何かのご縁でお会いできた、目の前の人に全力で接したいという思いで、ずっと仕事をしてきました。お帰りになるお客様がずっと手を振ってくださったり、常連の方に「今年も会えたね」と言われたりすると、ああ幸せやなと思います。この間、娘たちが「生まれ変わるならお母さんがいい。いつも笑っているから」と言ってくれたのですが、私も毎日何でこんなに楽しいのかよく分からない(笑い)。多分、私にはこの仕事が天職なのでしょうね。

(談)有馬温泉 ホテル花小宿 和田もえ 聞き手:観光政策研究部 清水雄一

機関紙 観光文化 第230号 発行日:2016年7月10日 公益社団法人 日本交通公社

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