食の旅 食材

おすそわけ野菜 孫の為に栽培した野菜をわけてもらう 主人からの一品

ある日小代のイヌワシの研究家の井上さんがやってきた。

「これを食べてみて!」と出されたのが、生の一寸豆をサヤごと輪切りにしたもの。玉ねぎの緑の葉。生の玉ねぎ等・・・

言われれば仕方がないので、野菜ぐらいの僕は・・・・食べてみた。

へえ~・・・・いけるやん!

世の中は、何でもかんでもオーガニック。あちこちで有機野菜が氾濫している。有機肥料は本当に良いのか!?

早速井上さんのもとに駆け付けた。

【 ジャムやソーセージでつくる有機肥料 】

野菜を持ってきてくれた人は、ちょっと変わっている。

若いころ、3年間。計365日にイヌワシを観察していたという。3日に1回観察を3年間続けたという事だ。その彼の師匠が癌で亡くなる時に言った。「イヌワシと人と共存できる場所をつくれ」・・・・それにはお金がいる。しかし行政の力をあてにしたくなかった。何か良い方法はないかと考えた。

ただお金儲けをすると言っても、皆が喜ぶ事をしたかった。

そこで考え付いたのが、産業廃棄物の処理。農業の経験を活かし、大手食品メーカーから出る廃棄物を使って有機肥料をつくる。

最近、やたらとオーガニックという言葉が聞かれるが、彼は20年以上前から有機栽培に取り組んでいた。しかしなかなかうまくいかなかった。当時の有機肥料が問題だった。

彼が作った有機肥料で栽培された野菜があまりにも美味しかったので、早速 産業廃棄物処理場を見学する事にした。

 

行った時は、ジャム工場から廃棄されたジャムや水飴を瓶から出す作業中。パレットに10段積んだジャムを3万円もらって引き取る。2名の作業員が働いていた。

彼が建てたというビニールテントの処理場。ここでハッと気が付いた。どんなおぞましい臭いがするのだろう??? ここまで来た事を後悔した。

扉を開けたが・・・・意外と臭いはしない。

大手食品メーカーからは、定期的に廃棄物が運ばれてくる。形や規格だけが違うが、全く食べられるハムソーセージ。そして燻製に使った後の墨。マヨネーズメーカーからは玉子の殻。乗馬場からは馬糞。そしてオガクズが、混ぜられ発酵して有機肥料になる。

 

糖分が入る事で発酵温度が上がり、細菌が死滅する事で、植物が病気にかからない有機肥料が出来るという。

【 有機肥料15年の成果を見学 】

彼の肥料を15年間使い続けている農家に向かった。

家の裏にある畑に案内された。

普通の畑に比べてウネが高い。作物を収穫したら、その場所に肥料を入れて、また苗を植える事を繰り返すので、だんだんウネが高くなっていくそうだ。

そして土が白い。これは肥料に含まれている玉子の殻。玉子の殻はカルシウムを補うとともに、日光を遮断するので雑草が生えにくくする効果もあるという。そして雑草が生えてもウネが高く土が柔らかい為に、簡単に抜く事が出来る。

ここでは子供と孫が喜ぶ野菜をつくっている。商売用ではないのでコストも関係ない。ただ孫が喜ぶ顔を見るのが楽しみで栽培されている。

とうぜん農薬は使わず、安心で安全な野菜。そして美味しい。

玉ねぎの葉は先まで緑色。隣の畑の玉ねぎと比べると違う。玉ねぎの茎をつかむと柔らかくかすかに弾力がある。隣の畑の玉ねぎの茎はカスカスのような感じがした。

エンドウも青々としていて身が沢山なっている。差は歴然だ。アスパラは折ると茎から水分が溢れてくる。かじると甘い。

有機肥料と言っても色々ある。葉が小さくて緑が薄い。この方が風通しが良くて病気にかかりにくいという。虫の目はモノクロだそうで緑の濃い葉に虫が集まるという。そいう点でも緑が薄い方が良いという。

さて、これらの野菜を分けてもらうとしたら???

御所坊関係が野菜を分けてもらう事で、また次に新しい種類の野菜を植える事が出来て、種類が豊富になり更にお孫さんが喜ぶ事につながる。

「虫が付きだしたから、早く持って帰って!」という話になり、また翌日スタッフを連れて、お伺いした。

【 不特定 少数の野菜をどうやってお客様に提供するか!? 】

お孫さん優先で良い。余った分を分けてもらう。出来れば平日に連絡をもらい、取りに伺う。一年続ければ流れとメニューが増えるはずだと考えた。

今回は、月曜日まで待つと葉野菜が全滅だという事で、土曜日の昼にスタッフを連れて伺った。

葉野菜は薄揚げ等と焚く・・・・

一寸豆は、花小宿で、先日僕が経験したように輪切りでお客様に味を見てもらい「生で美味しい豆を炭火で焼きますね!」と焼いて提供する。でも何時もあるわけでないので、今日の特別の一品という形で、サービスで提供するのが良いかな? と考えている。そうすると葉野菜を焚いたモノを料理の途中で出しても問題はないだろう。

何時も提供できるわけではない。

「コストはどうなります?」と調理長が聞いて来た。とりあえず今日の値段はわからない・・・

言っても野菜。僕が一杯飲む費用を一回削れば、週一回の野菜代ぐらいにはならないだろうか?

だったら「主人からのサービスで・・・」とお出しするのが良いのかもしれない。

さっそく土曜日の夜のお客様から、お出しするようにした。・・・でも何で? と思われた方も多かっただろう。

翌日、客室係にしっかり経緯を説明した。一品のメッセージも作ろうと思う。また交代で客室係を現場に連れて行くのも良いだろう。

はてさてどうしよう? この手の悩みは楽しい。

【 今後の展開 】

「うちでも畑をつくったら?」と気軽に息子が言う。確かに駐車場の横につくれない事はない。

でもまず、小代のオーベルジュ花郷里の菜園かな? と思う。

肥料を現在の土の上に10㎝ほど入れると雑草が生えにくく、生えても抜きやすいという。

出来る所から始めてみるか!?

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