温泉旅館の名前入りの浴衣を宿泊客に提供したのは、伊香保温泉が発祥といわれています。
昔のタオルは、日本手ぬぐい。つまり木綿。御所坊の「浴衣考」でご紹介しましたように、木綿は吸収力があり、肌に優しい。
伊香保温泉では多くの旅館が木綿の浴衣を使用しています。近くに木綿の産地がないのに不思議です。
さて問題です。御所坊が使用しているタオルには名前が入っていない・・・どうしてでしょうか?
2. 湯に付けると名前が浮き上がってくる。
3. 実は小さく名前が入っている。
4. 10枚集めると、金の刺繍で名前の入ったプレゼントされる。
さてどうでしょう?
正解は 3番です。
タオルには名前が入っていないのですが、GOSHOBOHとタグが付けられています。
旅館の前をタオルに入れる為には、まず漂白します。そして名前を入れて染めて、その顔料を洗い流します。
それらの工程の中で、多量の水を使用します。とうぜんその水は河川に流れていきます。
日本では工場からの排出基準が高い為に、タオルのコストを抑えようとすると中国製のタオルを使用するケースが多い。
まえは御所坊のタオルも名前を入れていましたが、ある日名前を入れないタオルの提案がありました。
名前を入れないという事は、漂白しなくて、染めなくて良い。その分品質の良い素材を使用できる。
洗っていない為に最初は吸水性が少し悪く感じられますが、一回洗えばその後は快適です。
実際、我家でもこのタオルを使用して実験済みです。
ご宿泊後は、どうぞお持ち帰りになり、末永くご利用頂きたいと思っています。
タグの裏側をご覧ください。染めない。漂白しない。純粋の日本綿使用。そして日本でしっかり織っています。というように記載しています。
少々高くても・・・名前が入っていなくても・・・・人と地球に優しい方が良いだろうという判断です。