有馬温泉は、神戸市にありながら山深く六甲山地北側の紅葉谷の麓の山峡にある温泉街で、古くより名湯として知られ多くの人が訪れています。
温泉街は標高350m~500mに位置しており、かなりの急斜面にあり、街中を通る道も細く、その特徴ある有馬温泉の路地裏は、長い歴史の中で、時間が停まったような不思議な魅力があります。
その路地裏の空家や空き地を利用して絵画やオブジェ、インスタレーションといった現代アートを展示し、路地裏散歩を楽しむための仕掛けとして第二回「有馬温泉路地裏アートプロジェクト2011」を開催致します。
開催期間
2011年3月25日(金)?7月15日(金)
電気設置タイマーの時間は午前9時?午後5時
3,開催場所
有馬の工房周辺と御所泉源?妬泉源にかけての約250m?ほどの路地および空家、空き地を展示場所とする。
4,出展アーティスト
公募により、下記の6名の展示プランを選出。
浅岡憲介 立体
碓井ゆい ミクストメディア
佐野祥久 インスタレーション
田島亮一 絵画
細見博子 ミクストメディア
吉田マリモ インスタレーション
※審査員
金井啓修 有馬温泉観光協会
西野昌克 大阪アーツプランニング
今村 源 アーティスト
谷本 研 アートコーディネーター
5,搬入日
2011年3月11日(金)?13日(日) 3日間
6,アーティストインレジデンス
上記3日間の搬入設置日を設定します。開催地である有馬の工房「小宿とうじ」に宿泊し、現地制作、現地設置を基本とします。
7,サポートスタッフ
大阪アーツプランニングのスタッフ2名と有馬玩具博物館スタッフ2名が搬入設置に協力。
8,広報について
ポスター、路地裏アートマップ、ホームページは、主催者が作成し広報します。ポスターや路地裏アートマップは、周辺の旅館や商店に設置され観光客へ無料配布されます。
9,関連イベント
開催期間中には、観光協会スタッフによる「路地裏アートガイド」を週末に無料実施し、観光客の案内、開催主旨説明、作品や作家紹介を行う。
10,販売コーナー
出展作家のグッズ販売コーナーを有馬玩具博物館、吉高屋、温泉堂の三ヶ所に設置。出展作品に関係する小品や雑貨、ポストカードなど販売する。
11,搬出日
2011年7月16日(土)又は17日(日)
12,プレスリリース
美術館、ギャラリー、新聞社、雑誌社などのメディアへポスター、マップを送付し、取材や写真提供は、大阪アーツプランニングが対応する。
主催 (社)有馬温泉観光協会
企画 大阪アーツプランニング
後援 兵庫県、神戸市
特別協力 有馬玩具博物館、神戸ビエンナーレ
協力 Casa de Banano、石田眞弓、studio J、ART BOX SARASA、京都美術学院、SoHo art gallery ※選出された6名の作家を推薦したギャラリー、プロモーター、個人の人たち。
出展者のプロフィール(紹介)と作品解説
浅岡憲介 ASAOKA KENSUKE 立体
2001年??? 土と炎・木の美術二人展/東大阪市民美術センター
2004年??? 個展/ギャラリー・ウー
2007年 個展/ギャラリーすずき
2003?2010年 京都彫刻協会展
2003?2010年 京都野外彫刻展
タイトル 「扉」
木造建築の古材を再利用する作者は、有馬の路地裏にある民家をイメージし、住居空間にある扉や階段、窓や柱といった内部の要素を外に持ち出した時に、風景との対話となります。扉の向こうに有馬温泉街を見降ろす場所との遭遇に驚きと発見があります。
作者は、何故このようなメッセージをこの場所に設置したのでしょう?
階段と扉の作品とは、別の作品です。
この六角形をした形とダイヤの形をした2枚の扉。この作品は、こちら側と向こう側の同質であるはずの空間が、何故か異なって見えませんか?
作品を見ているのか、向こうの風景をのぞき込んでいるのか惑わされる所が面白いですね。
碓井ゆい USUI YUI ミクストメディア
2005年??? 2006年 個展(studio J/INAX gallery2)
2006年??? 2007年個展(studio J)
2009年??? 放課後の展覧会(元立誠小学校)
Real Life Sensibility 物とイメージの往還から(京都芸術センター)
2010年??? 個展(studio J)
タイトル 「有馬旅行の思い出」
有馬へ旅行して記念に撮った写真をお皿に描き、今では「かけら」となって割れています。
それらが「思い出」として展示され、同時に私たちが見ている風景をいつか思い出す時の「記憶のかけら」ということも言えます。
この作品は、作者の手による創作陶器をわざわざ割り、その1つ1つが、いつか作者と皆さんの「記憶のかけら」となってくれるような気がします。
タイトル 「空き缶の絵」
皆さんよくご存知の有馬名物「炭酸煎餅」の缶を、巨大化していますね。お店の看板というわけではないのですが、大きさだけでも圧倒されますし、何故か笑みがこぼれてきます。そんなユニークな作品をこの路地裏アートに3ヶ所設置していますので、残りの二つを探してみましょう。
佐野祥久 SANO YOSHIHISA インスタレーション
2005年 International Workshop in REMISEN-BRANDE(デンマーク)
2008年 International Workshop “DRAWING”in Hannover(ドイツ)
2009年遭遇するドローイング:ハノーファー×名古屋2009(名古屋芸術大学)
2010年 個展(SoHo art gallery/大阪)
2011年 2010年 ARS JAPONICA(AVA GALLERIA/ヘルシンキ)
作品の中心部にソーラーボール(LED)が仕掛けられており、植物をイメージするこの作品は、夜になると色とりどりに光を放ちます。
また作品素材はペットボトルで作られているので、LEDやペットボトルからエコへの提言とも受取ることができます。
作者は、環境芸術として国内外で作品を発表するなど活躍されています。
タイトル 「Flash Forward」
この地下室のような倉庫内に、怪し気な光を放つ「Flash Forward(未来視)」は、ペットボトルとLEDを素材としています。
宇宙空間をイメージしたり、或は深海をイメージできるからでしょうか?
光と影のコントラストや生き物にも見える数々の形、私たちの日常からは想像することのない異次元な世界を垣間見ることができます。
田島亮一 TAJIMA RYOUITI
1986年 大阪府に生まれる。
2006年???? 京都伝統工芸専門学校卒業。以後、飛騨高山の家具工房にて家具制作から販売を行う傍ら、「かめいち堂」として、イラストから木の家具、クラフト製品などを作る。
タイトル 「大きなお魚」
この大きな作品を見ていると狭い露地道のため、悠然と泳ぐ大きな魚が温泉街に何ともユーモラスな感じです。
モノクロの線描で描かれた魚、その細かなタッチには日本独特の繊細さが表れています。
作者は飛騨高山で家具や木工の仕事をしており、このような絵もライフワークとして続けています。
この小窓は、毎年参加する作家さんに何故か人気の場所です。
飾り窓のようでもあるし、新聞や牛乳を置いてもらっていたのかも知れません。
この小窓に作者は「はりこかめ」を置きました。家の中から顔をのぞかせている黒いカメというだけで、創作童話が生まれそうです。
作家の工房名も「かめいち堂」とされているので、きっとその象徴としてのオブジェです。
細見博子 HOSOMI HIROKO
大阪生まれ、岡山在住。個展活動を中心にアートイベント等に参加。
1997年?毎年 個展(T.K.ART/大阪)
2004年?隔年 個展(SAVOIR VIVRE/東京)
2006年?毎年 アートイベント「犬島時間」参加(犬島/岡山)
2007年?毎年 個展(Art Box SARASA/岡山)
タイトル通り、この一見静かなこの路地裏においては、100匹足らずの「ありんこ」が各所に出没しています。
よく見るとやはりよく働いています。そしてユーモラスです。
あなたは何匹の「ありんこ」を見つけましたか?
作品はガラスと錫合金で出来ていますので、けっして手で触れたり、物をぶつけたりしないで下さい。
生き物の命を大切にしましょう。
只今、作品「かえる」は「有馬玩具博物館」で販売しています。
吉田マリモ YOSHIDA MARIMO
2000年??? 京都府京丹後市の公園内に巨大オブジェ「大地の家族」を設置
2001年??? ワコール「OPPAI ART LAB」にて「おっぱいロケット」展示
2006?2009年 建仁寺禅居庵の庭にて、4年間、野外インスタレーションを展開
その後、触って遊べるPOPなオブジェを様々な空間で展開。
タイトル 「湯あがり、ゆだまさん」
「ゆだま」さんは、有馬温泉から沸き上がる湯の玉です。
湯あがりほっこり、みなさんと一緒に、有馬の空気を楽しんで過ごしています。
きっと、温泉に浮かべて、一緒に入浴しても楽しいですね。
※今回の展覧会グッズとして「吉高屋」「温泉堂」限定で日本手拭を販売しています。記念に1枚いかがですか?
タイトル 「ひょうたん姉妹」
有馬では、七夕にひょうたん祭りが親しまれているのをご存じですか?
さて、このひょうたんが、娘さんに姿を変え、有馬にお出でになられた皆さんをお出迎えしております。有馬の記念撮影に、ご一緒にいかがですか?