業界の話

有馬温泉まちづくり基本計画策定委員会

有馬温泉まちづくり基本計画策定委員会・・・まだ略称はない。そこで僕はとりあえず、かってにマスタープランという事にする。そのマスタープランをまとめる為にマーケティング・インフラ・ソフトと3つの部会に分かれて課題検討する。とうぜん またがる項目や共通な事柄が出てくるので、何回かに一回は合同で話し合いしながらまとめていこうとしている。

僕はソフト部会を担当している。色々なモノを進めていく上で、まず「有馬らしい」という事をできるだけ皆が共通認識を持てるようにしたいと考えている。

例えば「有馬らしい街並みとは?」と言った場合、現在では湯本坂の古い街並みを思う人が多い。ではそれ以外の町は有馬らしくないのか!? ・・・という事になる。もっと突き詰めれば有馬らしいのは湯本坂だけか!となってしまったら全体に広がらない。鉄筋の大きな建物も有馬らしくする事が出来ないのだろうか? その場合の有馬らしいのは、どの様な色か! また有馬らしくするためには建物にどのような工夫を凝らしたらよいのか?

残念ながら有馬の街全体は必ずしも魅力的な街並みとは言えない。でもいつか魅力的になる為に出来る事から少しづつでも出来れば良いと思う。

その一つの例をあげよう。最近僕が気に入っている出来事だ。

色々な人に聞くと、有馬温泉の路地裏はなかなか魅力的だという。・・・といっても何もなければ不気味だという人もいる。その路地裏に現代アートを飾る試みを昨年から行っている。有馬温泉路地裏アートプロジェクトだ。

先日、人を案内する事になった。雑草が生えていて見苦しいだろうなあ・・・・と思いながら行ってみると雑草が一本もなかった。確か昨年の今頃は雑草が生えていたはずだ。

その謎の答えはしばらくして解けた。

今、湯本坂の真中あたりにある旅館 上大坊の主人が道路向かいの木造の大きな建物を購入し、現在補修を兼ねた改装工事を行っている。その工事の一環で路地裏に続く道への階段をつくっている。
なかなか素敵な空間になっている。これが出来るとさらに路地裏を歩く人が増えるだろう。

その主人のお母様が朝早くに路地裏の雑草を抜いていたのだった。息子がやっている投資は現在において少しリスキーだと思うが、お母さんとしては雑草を抜く事で少しでも良くなるように応援をしているのだろう。

このように少しの出来事が大きく街の雰囲気を変える事につながる。そういう意味ではソフトでマイナスをプラスに出来る事はいっぱいあると思う。有馬らしさも創出できると考える。

もう一つソフト部会の課題は組織作り。

従来の組織だけでは街づくりを行っていく上で、資金獲得などの今までにはない組織を作り上げる必要がある。

しかし前述の湯本坂と同じように、住民の中にはマスタープランは観光協会や観光業者のものだという考え方がある。

そうではなく、町を良くしていくためには風が吹けば桶屋が儲かる。つまり住民にとってもプラスだ! そういう曼荼羅を描く事が必要だ。

そしてその曼荼羅を理解してもらう必要があると考えている。

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