今日、12月19日から3月23日まで節電を呼び掛けている。近年加速しているエコ思想というより東関東大震災に関係して電力不足が予想されるという事だ。
御所坊グループの宿泊施設のホテル花小宿では昨年から“湯たんぽ”をご用意している。複数のご婦人方から要望があり、冷え症の方には湯たんぽが良いとの事で始めたものだ。
「温泉があるから湯たんぽの提供は簡単だろう」とおっしゃる方は多いと思うが、少なくとも有馬温泉では、そう簡単な事ではない。
温泉のスケールが付着する期間がたったの5日間。つまり5日ごとに配管を交換している。交換した時と交換前の湯量には大きな差が生じる。湯量が少ない時はお許し願うしかない。
しかし湯たんぽに使用する温泉は1ヶ3リットル。たいした量ではないが10個入れればビールの大瓶1ケースよりも重たくて嵩高い。運ぶのが大変だ。温泉を汲んで湯たんぽの小さな口に湯を入れるのも手間がかかるし、作業の姿勢を改善しないと腰を痛めてしまう。そんなこんなを改善し、やっと昨年湯たんぽを提供する事が出来るようにこぎつけた。お客様の評判は上々だった。
昨年は花小宿だけ約25個を最大提供するようにしたが、今年は倍の50個を提供するように考えています。重さで言うと150㎏ 小さな家庭用の風呂1杯分の湯を入れなければならない。数量的に御所坊のお客様の一部にしか対応できないが、お許し願うほかない。
「御所別墅では提供しないの?」
御所別墅にはサーマル・ルームが各部屋に設置してある。冷え症に悩むご婦人方には好評で湯たんぽは不要だと思います。
【 湯たんぽウンチク 】
「湯たんぽの生産量は尼崎が日本一!」という話を5.6年前に聞いた時、何を時代遅れな事をいうのだろう・・・という気持ちと面白い事を言う・・・という両方の気持ちで非常に印象に残った。そのメイドイン尼崎のプロジェクトを企画したのが地域環境計画研究所の若狭健作君と綱本武雄君。彼らには有馬温泉のまちづくりにも関わってもらっている。
その若狭君に尼崎の「マルカ株式会社」を紹介してもらった。興味が湧いて尼崎の工場見学に出かけた。工場の上が事務所になっていて製品の説明を聞いた。
湯たんぽって簡単なように思っていたが、熱湯を入れると中の空気が膨張する。それをお湯の入れ替えの時にキャップを取ると湯たんぽが凹んでしまうのです。そこで支柱を入れるようになったのですが、そこには色々な苦労があったようです。
最近ではIHで湯たんぽのお湯を加熱できるように底がフラットなものになっているモノや材質も錆びないようにステンレスやチタンの物まで現れました。またお湯の入れ替えに便利なように口金が大きくなっているものもあります。口が大きいので玉子を入れておくと、朝食に温泉玉が食べれるという品まであります。その様な話を聞いて工場見学を・・・としたのですが、残念な事に冬場は湯たんぽを製造していませんでした。湯たんぽは夏場製造して、冬場は夏に使用するキャンプ用品等を製造しておられました。