せっかく有馬温泉に来たからには、そこにしかないものを見ておきたいところ。というわけで今回はこの施設をご紹介。
有馬里駐車場から東、『バー ニュールンベルグ』のすぐそばにある『有馬玩具博物館』。
ドイツの職人によって作られた精巧な木製工芸品。なつかしのブリキ玩具に鉄道模型。その数、なんと4000点。
「玩具は子どもだけでなく、大人も楽しめるもの。親子そろって「ワクワク」してください」
そう語るのは館長の福本さん。
現代玩具博物館(岡山県)の館長であった故西田明夫さん、『グリコ』のおまけ玩具デザイナーであった故加藤裕三さん、そして旅館『御所坊』十五代目当主金井啓修さん御三方の尽力によって、この博物館は設立された。
何故有馬なのかは、歴史が関係している。
神戸淡路は人形浄瑠璃が栄えた地、近松門左衛門などその分野の有名人が有馬温泉で逗留したという。更に歴史を紐解けば鎌倉時代、高度な木材加工技術を持つ木地師の集団がいたと言われている。
玩具文化の発信地としては、十分な土壌を持つ土地だと言えよう。
画像はなつかしの特撮番組『サンダーバード』の登場人物。制作者であるジョン・ブランダールさんに西田さんが直接依頼したものだ。神戸の地で人形作りの技術を学んだその思い入れが感じられる。
特筆すべきがこの「オートマタ」と呼ばれる玩具。スイッチを入れると、そのユニークな動きを楽しむことができる。
上記画像は日本のオートマタというべき「神戸人形」。明治中頃に神戸で誕生した独創的なからくり人形であるが、その高品質が原因で大規模な海外流出を招いてしまった。
そういった貴重な品も、ここでなら心行くまで眺めることができる。
有馬と言えば古事記にも記述がある日本最古の温泉地として有名だが、他にも貴重な文化を持っている。有馬温泉の湯船に浸かり身体を休めた後は、玩具の世界にひたってみるのもよいだろう。
施設名 有馬玩具博物館
住所 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町797番地
神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩5分
有馬里駐車場から徒歩8分
営業時間 9:30~18:00
休館日 不定休
入館料 大人800円 子ども500円