有馬温泉は神戸市北区、六甲山頂から北側の紅葉谷の麓の山峡にある一辺が約1kmの三角形の温泉街。
有馬はもともと有間と書き、山と山との間という意味で、その通り周囲を山に囲まれた温泉地である。アイヌ語で“火の燃える谷”という説もある。
日本三古泉、日本三名湯と称されて文人墨客等、歴史上の人物がたくさん訪れている。温泉街は標高350m~500mに位置しており、かなりの急斜面にあって、街中を通る道も細い。
大きな旅館やホテルは温泉街の周辺や少し離れた山麓、山中にある。
公的な外湯として「金の湯」「銀の湯」があり、有馬温泉では「御所坊」等と“坊”名のつく宿が多い。
これは鎌倉期、仁西上人が温泉寺を建立し薬師如来を祭って、その守護神十二神将に準え、十二の宿坊を建てた事に由来している。現在の旅館の一部は、この伝統的な名称を継承している。しかし鎌倉期に書かれた文献には仁西の記述がなく江戸時代の文献に登場する。