有馬の温泉は“金泉”“銀泉”として知られています。
金泉は鉄分と塩分を多量に含んだ高温の温泉。湧出し空気に触れて酸化して赤茶色の濁り湯です。
銀泉はラジウム泉と炭酸泉を指し、どちらも低温で無色透明な温泉です。
よくお客様から「金泉と銀泉はどう違うの?」と聞かれます。
「地球の内部から湧き出る時は同じ温泉で金泉にも多量の炭酸ガスやラジウムを含んでいます。地表近くで炭酸ガ スやラジウムが表面水に溶け込んだのが銀泉で、そのまま湧き出ているのが金泉です。」と答えています。
泉源に行くとボコボコ音と蒸気が登っています。この中に炭酸ガスやラジウム。超希少元素ヘリウム3等が含まれ ています。高温で海水以上の塩分濃度のある温泉は機械的に汲み上げる事は出来ません。
炭酸ガスの力でジャーポットのように温泉が自然湧出するのです。
この構造を説明するのに、泉源のパイプの中から炭酸ガスを取り出し、水か有馬サイダーのシロップを混ぜた水に入れてやれば、天然の有馬サイダーが出来上がるはずです。
炭酸飲料のペットボトルに管を付けて、源泉のメンテナンスの時に炭酸ガスを抜くバルブにつなげてみる事にしました。もちろん泉源管理者の許可を取ってからです。
9月25日水曜日、湯本坂にある妬泉源(うわなりせんげん)で有馬設備の 健ちゃんとバルブの径を確認しました。2時間ほど経って「セッティングが出来ました!」という電話がかかってきました。
出ている温泉に影響を与えないようにバルブをそっと開いた。
ペットボトルにつないだ管からボコボコ泡が出てきた。
天然有馬サイダー(動画をご覧ください)
そこへ泉源のメンテナンスをしている人が現れ「おもろいことやるなー」と言って我々のやっている事に参加した。
「少々出しても大丈夫だよ。温泉の出ている音が変わらんから。温泉を止めれば炭酸ガスの圧力は強いけどな」
・・・なるほど、だから途中飲んでみても微炭酸ぐらいだったのだ。キャップに空けたガス抜きの穴をふさいでも 圧がそんなに上がらない。
一つの現象を見て、複数の目線で考えれば面白い事が出来る見本ではないかと自画自賛しています。(笑い)
一つの現象とは、泉源のメンテナンスをする時に最初にパイプ内の炭酸ガスを抜く作業。
シューというけっこう音がする事からたくさんのガスがある事がわかる。
これはリンゴが木から落ちたのと同じ。
それを見て炭酸ガスを利用してサイダーが出来ないか・・・
これは引力があるのではないか?と考えてみたいのものだと思う。
それを色々な人の知恵や経験を集めて、天然サイダーをつくる事が出来たのだ。
この天然有馬サイダー。有馬の温泉案内ツアーの泉源での案内の目玉にしようと考えています。