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有馬温泉学: 神戸・六甲山・有馬温泉の密接な関係

神戸・六甲山・有馬温泉の密接な関係

神戸は港の海抜0m地点から車でわずか30分移動すれば背後にそびえる海抜932mの六甲山の山頂に移動できる。このように海と山が迫っている大都市は世界的に珍しい。神戸港は水深が急に深くなり大型船が接岸できる事から天然の良港として栄えてきた。このような地形が出来たのは2億年前の地殻変動で六甲山が隆起し反対に大阪湾が陥没した事による。

1868年神戸港が開港した頃、六甲山は人々が煮炊きの為の木々を伐採した為に禿山だった。居留地に住む外国人達が植樹を行い山頂に別荘を建て、ゴルフ場を開き、池ではアイススケートを楽しんだ。外国人達がスポーツとして登山をおこなった為、六甲山は近代登山の発祥の地といわれている。阪神間にスポーツメーカーが多いのはその事と無縁ではない。

神戸から西宮にかけて灘五郷と呼ばれ日本酒の醸造場が多い。これらの醸造場では「宮水」とよばれる水が酒造りに欠かせない。宮水は六甲山の花崗岩の間を通り抜けた水に、海水や夙川の伏流水が混ざって湧きでる水である。もう一つ「神戸ウォーター」とよばれる水は、船に積み、赤道を越えても腐らない不思議な水と言われていた。いずれも六甲山の地質に関係があり、有馬の温泉とも因果関係がある。

有馬温泉は六甲山の北側の中腹に位置し、有馬には金泉とよばれる高濃度の塩分と鉄分を多量に含んだ高温の温泉と、銀泉とよばれる炭酸泉・ラジュウム泉が湧いている。金泉は炭酸カルシュウムを多く含んでいて、宮水の成分に影響を与えていると考えられる。

炭酸泉は明治初期、くぼみに落ちた鳥や昆虫が死ぬ事から「毒水」とよばれ人々が恐れて近付かなかった。しかし1875年オランダ人のドワルスにより、科学的な分析試験を行い、飲用と浴用に適した炭酸水だと証明された。TANSANとよばれるウィルキンソンの最初の工場は有馬にあり、瓶詰めされた炭酸水は明治後期、海外に輸出された。まさに有馬は日本のサイダーの発祥の地。現在復刻された有馬サイダーは、彼の頃のように今も人気を博している。また炭酸水を使用した炭酸煎餅は、有馬を代表する土産物になっている。

ラジュウムやラドンは水を美味しくする効果と殺菌作用がある。ゆえに神戸ウォーターは殺菌効果があり腐りにくい水である。六甲山と同じような地質を持つのがスリランカのコロンボ。神戸で積んだ水を、コロンボで積み替えて航海を続けたという。有馬の泉源付近はラジュウムやラドンの量が通常の場所の20倍あるという。病気が治る可能性がないとは言えない。昔の人はそれが感覚的にわかっていて湯治に有馬を選んだのかもしれない。

このように花崗岩で出来ている六甲山と有馬の温泉は、神戸の街の産業に関係が深い。また有馬の温泉の湧出には断層の存在が不可欠であり、有馬の歴史を振り返ってみると地震と密接な関係がある。


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